はじめに
スマートフォンは現代生活に欠かせない存在です。しかしその一方で、10代〜30代の若年層を中心に、“スマホ首(ストレートネック)”による肩こりが急増しています。
「若いのに肩こり?」「スマホを使うだけで首が痛い?」と思うかもしれませんが、その背景には姿勢の悪化と筋肉の過緊張があります。
この記事では、整形外科医の視点から、
- スマホ首とは何か
- なぜ若年層に肩こりが増えているのか
- 日常でできる予防・改善法 をわかりやすく解説します。
【1. スマホ首(ストレートネック)とは?】
✅ 首のカーブが失われた状態
通常、首(頚椎)はゆるやかな前弯(S字カーブ)を描いており、重たい頭を分散して支える構造です。
しかしスマホ操作中のうつむいた姿勢が続くと、頚椎の前弯が失われ、首がまっすぐに変形してしまうことがあります。これがいわゆるストレートネック=スマホ首です。
✅ 症状としてよくみられるもの
- 首のこり、肩のこり
- 頭痛、眼精疲労
- 背中の張り、腕のだるさ
- 集中力の低下、吐き気やめまい
▶ 整形外科的視点: ストレートネックは、頚椎の配列異常により筋肉・靭帯・神経に負荷がかかりやすく、慢性的な肩こりだけでなく、将来的な頚椎症や神経根障害のリスクにもつながります。
【2. なぜ若年層に増えているのか?】
✅ スマホ・タブレット使用時間の増加
SNS・動画・ゲームなどにより、若い世代のスマホ使用時間は平均3〜5時間/日以上とも言われています。
この間ずっと首が前に倒れた姿勢が続き、首〜肩の筋肉が常に引き伸ばされた状態になります。
✅ 成長期の姿勢クセが慢性化
- 学生時代の座り姿勢やスマホ姿勢が習慣化
- 骨格がまだ柔らかい時期に姿勢が崩れると、将来的な変形リスクも
✅ 運動不足・ストレスの影響
運動不足により筋肉の柔軟性や血流が低下し、ストレスで自律神経が乱れることで、筋肉が緊張しやすい状態になります。
【3. 若い世代の肩こり対策法】
✅ ① スマホを見るときの姿勢を変える
- スマホは胸ではなく顔の高さまで持ち上げる
- 画面をのぞき込まず、目線を落とさない
✅ ② 30分に1回は首と肩を動かす
- 肩回し(前後10回ずつ)
- あごを引いて首の後ろを伸ばす(チンタック)
✅ ③ ストレートネック対策グッズを活用
- ネックピローやエアーサポーターで姿勢サポート
- スマホスタンドで目線を上げる
✅ ④ 運動とストレスケアを日常に
- ウォーキングやストレッチで血流改善
- 睡眠とリラックスタイムの確保
【まとめ】
若年層の肩こり・スマホ首は、現代の生活習慣病ともいえる状態です。
- 姿勢の崩れ
- スマホ依存
- 運動不足やストレス
これらが積み重なることで、首や肩への負担は年齢に関係なく蓄積します。
「まだ若いから」と油断せず、早いうちから正しい姿勢と予防習慣を意識することで、将来の肩こり・首のトラブルを防ぐことができます。
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