【肩こりを防ぐには?整形外科医が教える対策と予防法】
はじめに
肩こりは、現代人の多くが抱える慢性的な悩みです。マッサージや湿布で一時的に楽になっても、しばらくするとまた症状がぶり返してしまう——そんな経験はありませんか?
実は、肩こりの予防と対策には、正しい知識と日常生活での工夫が欠かせません。 この記事では、整形外科医の視点から、肩こりを予防するために効果的な「姿勢」「ストレッチ」「生活習慣の見直し」について、
- わかりやすく解説し
- 少し踏み込んだ専門的視点も含めて ご紹介します。
【1. 肩こり対策:正しい姿勢を意識する】
✅ デスクワーク時の姿勢の基本
- 背もたれに軽く寄りかかる
- 画面の高さは目線と同じ高さに
- キーボードやマウスは肘が90度になる位置に配置

✅ スマホ使用時のポイント
- スマホは顔の高さに持ち上げて使う
- うつむき姿勢を避ける(ストレートネックの予防)
- 長時間の連続使用を避ける(30分に1回は休憩)

✅ 座り姿勢の注意点
- 椅子は深く座る
- 骨盤を立てて座る(猫背防止)
- 足は床にしっかりつける
▶ 専門的ポイント
姿勢が崩れると、頚椎の生理的前弯が失われ、僧帽筋や肩甲挙筋が常に緊張状態になります。これが慢性的な肩こりの原因となります。姿勢の改善は、首・肩の筋肉の緊張を減らし、筋膜の滑走性も高めます。
【2. 肩こり対策:ストレッチで筋肉をほぐす】
✅ 首・肩まわりの基本ストレッチ
● 首の後ろを伸ばすストレッチ
- 背筋を伸ばして椅子に座る
- 両手を後頭部に当て、やさしく首を前に倒す
- 首の後ろ側が伸びるのを感じながら10秒キープ

● 肩甲骨を寄せるストレッチ
- 両手を背中で組む
- 肩甲骨を寄せながら胸を張る
- 10秒キープ×3セット

● 肩回しエクササイズ
- 肩をすくめて、後ろ回しに10回まわす
- 前回しも10回
▶ 専門的ポイント
肩こりに関与するのは僧帽筋だけでなく、肩甲挙筋、菱形筋、小胸筋、後頭下筋群などの深層筋です。これらをターゲットにしたストレッチは、筋膜の滑走を改善し、血流促進による疲労回復を促進します。
また、筋肉の持続収縮によって形成されたトリガーポイント(筋硬結)も、ストレッチによって間接的に刺激され、筋緊張が緩和されます。
【3. 肩こり対策:生活習慣の見直し】
✅ こまめな休憩と軽い運動
- 30〜60分に1度は立ち上がる
- 首や肩を軽く回す、肩甲骨を動かす
✅ 睡眠の質を上げる
- 枕の高さを見直す(高すぎると首が圧迫される)
- 寝返りしやすいマットレスを選ぶ
- 就寝前のスマホ使用は避ける(交感神経を刺激)
✅ ストレスマネジメント
- リラックスタイムを意識して確保
- 深呼吸・瞑想・ぬるめの入浴などで副交感神経を優位に
▶ 専門的ポイント
肩こりは自律神経の影響も受けやすく、交感神経の緊張状態が続くと筋緊張が高まります。規則正しい生活や質の高い睡眠は、副交感神経の働きを促し、筋肉の回復を助けます。
また、精神的ストレスは筋緊張性頭痛や頚性めまいを引き起こすこともあるため、心身の健康管理は重要です。
【まとめ】
肩こりを根本から改善するには、
- 正しい姿勢を意識する
- 筋肉をほぐすストレッチを取り入れる
- 睡眠・ストレスなど生活全体を整える ことが大切です。
日々の小さな積み重ねが、首・肩の負担を減らし、こりにくい体づくりにつながります。
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