【肩こりと頭痛・吐き気の関係とは?整形外科医が解説】
はじめに
「肩こりがひどいと、頭痛までしてくる…」 「首から肩にかけて重だるく、吐き気がすることも…」
このような症状に悩まされた経験はありませんか? 実は、肩こりと頭痛・吐き気には密接な関係があります。 この記事では、整形外科医の視点から、
- なぜ肩こりが頭痛や吐き気につながるのか?
- そのメカニズムと対応法 を、わかりやすく、そして少し専門的にも解説します。
【肩こりと頭痛の関係】
✅ 肩こりによる「緊張型頭痛」
肩こりが原因となる代表的な頭痛が「緊張型頭痛」です。
これは、首や肩、頭の後ろの筋肉が長時間緊張し続けることで、
- 血流が悪くなる
- 神経が刺激される
- 筋肉内に老廃物が蓄積 といった状態が起き、頭全体が締め付けられるような痛みを生じます。
✅ 特徴的な症状
- 後頭部~こめかみにかけての鈍い痛み
- 両側性で、ズキズキというより「ジワーッ」とした圧迫感
- 長時間の作業後やストレスが強い日に起こりやすい
▶ 整形外科医の視点
僧帽筋や後頭下筋群など、後頭部から肩甲骨にかけてつながる筋肉の緊張が、 頭皮や側頭部に走る神経(大後頭神経・小後頭神経など)を刺激することで、 頭痛として感じられるようになります。
また、首の関節(上位頚椎)の可動域が低下している場合、 筋肉だけでなく関節由来の痛み(頚性頭痛)も併発することがあります。
【肩こりと吐き気の関係】
✅ 吐き気の原因も「神経」と「血流」
肩こりがひどくなると、以下のような理由で吐き気が起こることがあります:
- 首の筋肉の緊張 → 頭部の血流低下 → 脳への酸素供給不足
- 頚部筋の緊張が、自律神経のバランスを乱す(交感神経優位)
- 頭痛に伴う反射的な吐き気
これらの複合的要因によって、「肩こり→吐き気」という流れが生じるのです。
✅ 自律神経症状としての「肩こり」
慢性的な肩こりは、交感神経を緊張させ、
- 手足の冷え
- 胃腸の不調
- 睡眠障害
- 動悸 などを引き起こすこともあります。
特にストレスが強いときに肩こりが悪化し、同時に吐き気を感じる場合は、 「自律神経失調症」の一症状として捉える必要があります。
【肩こりによる頭痛・吐き気の対処法】
✅ 1. 首・肩のストレッチを習慣化
- 首の後ろをゆっくり伸ばすストレッチ
- 肩甲骨を寄せる運動
- デスクワーク中の肩回しや姿勢リセット
これらを1日数回行うことで、血流改善・筋緊張の緩和が期待できます。
✅ 2. 正しい姿勢を意識
- 画面は目の高さに
- スマホを見るときはうつむかない
- 座るときは骨盤を立て、肩が丸まらないように
正しい姿勢を維持することで、首や肩の負担を大幅に減らせます。
✅ 3. リラックス・睡眠・深呼吸
- 入浴やアロマなどで副交感神経を優位に
- 寝る前のスマホは控える
- ゆっくり深呼吸をして首の緊張をほぐす
自律神経を整えることは、肩こりの改善だけでなく、吐き気の予防にもつながります。
【まとめ】
肩こりは、単に首や肩の疲れではなく、
- 頭痛(緊張型・頚性頭痛)
- 吐き気(自律神経や血流低下による) といった症状を引き起こす原因になることがあります。
「肩がこるだけだから」と軽視せず、
- 姿勢の見直し
- ストレッチの習慣
- 睡眠・リラックス環境の改善
などを行うことで、これらの症状を根本から予防・改善できます。
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