はじめに
肩こりに悩んでいる方の多くが、「なぜこんなにこるのか分からない」と感じています。
しかし、実は日常の“ちょっとした習慣”が、知らず知らずのうちに肩こりを悪化させているケースが多くあります。 この記事では、整形外科医の視点から、
- 肩こりを引き起こすNG習慣
- その理由と改善方法 を7つのポイントでわかりやすく解説します。
【NG習慣① 長時間スマホを下向きで見る】
スマホを胸の位置や膝上で見続けると、首が前に倒れ「ストレートネック」状態になります。
▶ 悪影響:
- 僧帽筋や肩甲挙筋が持続的に緊張
- 頭の重さが首に直撃(約5〜6kg)
▶ 改善策:
- スマホは目の高さまで持ち上げる
- 30分に1回は画面から目を離してストレッチ
【NG習慣② 猫背・巻き肩の姿勢で過ごす】
背中が丸まり、肩が内側に入った「猫背姿勢」は、肩甲骨の動きを制限し、肩の筋肉が常に引き伸ばされる状態になります。
▶ 悪影響:
- 肩甲骨周囲の血流が低下
- 胸の筋肉(小胸筋)が短縮してバランス悪化
▶ 改善策:
- 椅子に深く座り、骨盤を立てて背筋を伸ばす
- 肩甲骨を寄せるストレッチを習慣化
【NG習慣③ 枕の高さが合っていない】
高すぎる枕は首を前に倒し、低すぎる枕は首を反らせます。どちらも頚椎の生理的カーブを崩し、筋肉に過剰な負担がかかります。
▶ 悪影響:
- 睡眠中の首・肩の筋緊張
- 寝起きの肩こりや頭痛の原因に
▶ 改善策:
- 首の自然なカーブを保てる高さを選ぶ
- 仰向け・横向きどちらでも合う枕を選定
【NG習慣④ 無意識に肩をすくめるクセ】
寒さや緊張、不安などで無意識に肩を上げていると、肩の筋肉は休まる暇がありません。
▶ 悪影響:
- 僧帽筋の持続的な収縮
- トリガーポイント(しこり)の形成
▶ 改善策:
- 肩を回す、深呼吸で力を抜くことを意識
- リラックスタイムを設ける(入浴・ストレッチ)
【NG習慣⑤ 睡眠不足・ストレスの蓄積】
睡眠不足や慢性ストレスは、自律神経を乱し、交感神経が過剰に働くことで筋緊張が高まります。
▶ 悪影響:
- 血流低下による疲労物質の蓄積
- 肩こりだけでなく頭痛・吐き気も
▶ 改善策:
- 寝る前のスマホ・カフェインを避ける
- 寝室の環境を整えて質の高い睡眠を確保
【NG習慣⑥ 同じ姿勢で作業を続ける】
長時間のデスクワークや運転などで同じ姿勢が続くと、筋肉が固まりやすくなります。
▶ 悪影響:
- 筋肉の持続収縮と血流低下
- 筋膜の滑走不良
▶ 改善策:
- 1時間に1回は立ち上がって肩を回す
- チェアやモニターの高さも見直す
【NG習慣⑦ 水分不足・運動不足】
体内の水分が不足すると、筋肉の柔軟性が低下し、疲労がたまりやすくなります。運動不足は筋肉のポンプ作用が働かず、血流が滞ります。
▶ 悪影響:
- 筋疲労の蓄積と回復遅延
- 冷えによる血行不良
▶ 改善策:
- こまめに水分をとる(カフェイン以外)
- ウォーキングなどの軽い運動を習慣化
【まとめ】
肩こりを慢性化させるNG習慣は、意外と身近な日常の中に潜んでいます。
- 姿勢
- 寝具
- ストレス管理
- 水分・運動
こうした“当たり前”を見直すことで、肩こりの予防・改善は大きく前進します。
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